妖精おじさんストーリー エピソード5 よし、しゃがもう!!

おじさんストーリー

パニック障害再発!もうやだよ~

早速前回の続きです。はじめて高速道路でパニック障害を発症したおじさんはその後、何事も無く普通の生活をしていました。もちろん、借金で苦しく、めまいも有り不定愁訴のオンパレードでの生活です。何ら改善も無く再生もはかれておらず、現状で、ただ頑張るしか出来ない状況でした。そしてある日、前回のパニック障害も忘れかけていたおじさんは営業で首都高に乗ろうと思いました。

すると首都高の乗り口に近付くにつれ、以前発症した過程と状況を思い出してしまいました。するとなんと、又、同じ症状になってしまったのです。気が狂うのか?死ぬのか?頭の中が整理されずにどうしようもない位の恐怖と不安でパニックになりました。これが予期不安というやつで後から知った訳ですが、一度なるとそのトラウマから、またなるかという不安でパニックになってしまうのです。

そしてこの再発を境目に強烈な記憶が残り、事あるごとに予期不安を起こしてパニック障害が発症するようになってしまったのです。もちろん病院に行きました。全ての検査を行いCTスキャンやらMRI等全ての精密検査をしたのです。しかし当時は未だ病名も判らず、インターネットなども普及して無かったので全て原因不明の自律神経失調症で片づけられました。

車が怖くて営業にも行けない!とうとう覚悟決めました!

そして病名も判らず、精神疾患かと自分の不甲斐なさに落ち込んで、すっかりやる気を失ってしまいました。そして、このまま続けても皆に迷惑がかかる。このまま続けて会社が倒産する前に、皆に事情を話て縮小しようと、ある夜に決断したのです。そして翌朝、会社で朝のミーティング時に皆に事情を話しました。

自分の自己欲を発端に共同経営などした結果、経営を悪化させてしまったこと、リーダーの器が無いのに拡大してしまったこと、現在の資金不足でこのままでは悪化の一途をたどることになるかもしれない事、そしておじさんの体調の事、パニック障害でもう車に乗って外回りに行くのが怖い事、全てカミングアウトして解散の意向を話したのです。結果、皆も理解してくれて了承してくれました。

そして26歳のおじさんを筆頭に平均年齢23歳の若い会社は解散という形で店をたたむことになりました。一人づつ身支度をしてデスクを片付け身の回りの物を持ちかえる姿を見ては非常につらい瞬間でした。本当に自分の利己欲で皆に迷惑をかけてしまった事、そしておじさんを気遣ってくれて何も文句なく解散の意を理解してくれた事、今でも本当に皆には感謝しかありません。

因果応報です!自業自得のツケが回ってくるのです!

しかし、センチな気分に浸っている余裕も有りません。とにかく決めたからには1日でも早くコストの削減です。一日一日延ばせばその分家賃も発生するのです。とりあえずは一生懸命決めたことを遂行するのみです。店の在庫も買い取り屋などにもっていき現金化して片づけました。デスクなどの売れそうな備品も全て買い取ってもらい多少の現金になりました。

次に店内のゴミ掃除などして、清掃もして不動産屋さんに報告し退去する事になったのです。すると数日経ったある日不動産屋さんから一通の手紙が届きました。清算の報告書です。今の時点で銀行から融資を受けた残900万円とスポンサー社長に借りた事になっている500万円とで合計1400万円の負債が有ります。そして現金資産の残りは商品を売って現金化したものと合わせて400万円有ります。

そして保証金240万円預けた分の戻りを足せば600万円位が手元に残ります。そしてしゃがんで再度自宅の一部屋を事務所にもう一度外回り営業をやれば数年で差引いた負債の800万円は返せるだろうと。ところが封書を開けて見ると、なにこれ?うそでしょ?なんと、戻り金が15万円となってます。2か月償却されても190万円返ってくるんじゃないの?

資本主義は本当に残酷です。無知な若者を苦しめます。知識武装も無い者はトコトン痛められるのです。落とし穴は教えてくれません。こちらから拾いに行かなければ知りえないのです。しかし未知の分野ですから知りたい事が何かも判らないのですから知りようも有りません。もちろん納得のいかないおじさんは初めての裁判を経験する事になるのでした。。。トホホ